フィリピンは今年、電気自動車(EV)の販売が拡大しそうだ。同国電気自動車協会は、2015年のEV販売台数を前年比49%増となる2万3500台と予測する。EVの技術革新に加え、環境への配慮などからEVへの関心が高まっていることが販売を後押しするとの見方だ。現地経済紙ビジネス・ワールドなどが報じた。
同協会は今年の販売台数予測の内訳について、電動四輪車と電動二輪車が合計2万台、電動トライシクル(三輪タクシー)が3000台、電動ジープニー(乗り合いバス)が500台としている。
なかでも、電動トライシクルの販売台数は、昨年の500台から6倍に急増するとの予測だ。同国では現在、約350万台のガソリン式トライシクルが走行しており、排ガスによる大気汚染などが懸念されている。
政府も電動トライシクルの普及に動き出した。ガソリン式トライシクルの電動化に向けた事業が停滞していたが、4月に再入札を開始することを明らかにした。同事業は、アジア開発銀行の融資などを利用し、同国で走行するガソリン式トライシクルのうち合計10万台を電動化する計画だ。
電気自動車協会は、今年末までに同国を走行するEVが4万台に達するとみている。普及拡大を目指し、同国政府に対してEV産業の振興に向けて税制優遇措置を求めるなどし、20年までに100万台の普及を目指す。(シンガポール支局)