メンツつぶれた?
だが、この決着におさまらないのが、せっかくの落札をほごにされた中国だ。しかも、プロジェクトに実際に参画する中国企業そのものより、後ろ盾となる中国政府が猛烈に怒っているようなのだ。
中国国家発展改革委員会は直ちに、メキシコ政府の高速鉄道計画先送りについて、「遺憾だ」とコメントを発表。中国外務省の報道官も「中国企業の法的権利を守ってほしい」とメキシコ政府に注文を付けた。
さらに、ロイター通信によると、中国鉄道建設総公司はメキシコ政府に対して、補償金の支払いを要求した。請求額は明らかになっていないが、事実上の賠償請求といえ、資金調達関連の費用や、入札に参加する際にかかったコンソーシアム参加企業の従業員のホテル代まで含まれているという。中国政府も、「落札に向けて多額の金を投じた企業への適切な対応」をメキシコ政府に求めている。