景気回復を反映し、賃金水準が上向いていることが鮮明になってきた。厚生労働省が31日発表した6月の毎月勤労統計(速報、従業員5人以上の事業所)によると、1人当たりの基本給など所定内給与は前年同月比0.3%増の24万3019円で、2年3カ月ぶりに増えた。今年の春季労使交渉で大企業を中心にベースアップが相次いだことを反映した。
所定内給与が増加に転じたことについて、厚労省は「春闘の賃上げ効果で、これまでの減少傾向が底を打った可能性がある」と分析している。業種別では不動産・物品賃貸が7.7%増となったほか、建設(1.5%増)、卸売・小売(1.3%増)などが目立った。雇用形態別ではフルタイム、パートタイムともに0.4%増となった。
全ての給与を合わせた現金給与総額は0.4%増の43万7362円で4カ月連続で増加。残業代など所定外給与も1.9%増の1万9058円で15カ月連続で増えた。