2014.7.9 05:58
財務省が8日発表した5月の国際収支(速報)によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は前年同月比7.7%減の5228億円だった。
4カ月連続の黒字だが黒字幅は前年同月よりも縮小した。輸出の増加などで貿易収支の赤字幅は縮小したものの、企業の海外投資から得られる収益などが減少した。
内訳では、輸出から輸入を差し引いた貿易収支が6759億円の赤字。金属加工機械などを中心に、輸出が2.0%増の5兆7188億円と伸びたほか、4月に実施された消費税率引き上げなどの影響で、高機能携帯電話(スマートフォン)をはじめとした輸入が0.4%減の6兆3947億円となり、赤字幅が縮小した。
貨物輸送や海外旅行客などによるお金の取引をまとめたサービス収支は、682億円の赤字となったが、このうち海外旅行客分を示す「旅行収支」が訪日外国人数の増加などで赤字幅を縮小させたほか、知的財産権等使用料の受け取りが4810億円と過去最大となった。
海外への投資から得られる利子や配当を示す所得収支は、3.2%減の1兆4779億円で、2カ月連続で黒字幅が前年同月比で縮小した。