安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」で株式市場が長期にわたる低迷から抜け出したことを受け、証券各社が新規出店や拠点網再編など店舗戦略を積極化している。富裕層の多い地域に出店したり、グループ銀行と一体的な金融サービスを提供する銀証連携を強化したりするなど、さまざまな手法で個人投資家の取り込みを狙う。
一等地に支店新設
SMBC日興証券は来月、東京・銀座と大阪・梅田という東西の一等商業地に支店を新設する。証券業界は市況低迷下で出店を抑制してきたが、同社の支店開設は約6年ぶり。銀座は2003年以来11年ぶりの再進出だ。
日興は、商業の中心地域での出店を「『リテール(個人向け営業)基盤を拡充する』という企業意思の象徴」と位置付けている。賃貸料など多額の固定費がかかるものの、多くの富裕層が足を運ぶため、「コストを上回る成果が出せる」(同社)と自信を示す。