なぜ日本は「グローバル」に弱いの イノベーションの語られ方 (1/3ページ)

2013.6.30 05:00

 先日、東京で開催されたトークショーに聴衆の一人として参加した。内容はイノベーションがキーワードだ。今やどこでも聞くありふれた言葉になっている。但し、その意味するところはバリエーションに富んでいる。

 質疑応答の時間にぼくは講師に質問した。

 「日本でイノベーション論議を聞いていると、ニュートラルでコスモポリタンな印象が強く、コンテクストや文化という言葉がなかなか出にくいと感じます。しかしイノベーションが技術より意味や価値の変化が強調されている今、価値を形づくるコンテクスト自身が顧みられないのはおかしい。その点をどう思われますか?」

 講師が「日本においてですか?」と確認を求めるので、「はい、ぼくが住んでいる欧州と比較して少ないと思います」と答えた。すると講師は「アメリカもそうです。コンテクストが語られることは少ないです」とコメントした。

 価値の変換を目標とするにも拘わらず、その価値を創るコンテクストに言及しないって? 米国と日本の「イノベーションの語られ方」の特徴がここによく出ている。

 もう少し繙いていこう。

 以前、日本とイタリアのシリコンバレーへの距離感について書いたが、記事には書かなかったもう一つのポイントがある。それは日本でシリコンバレーが過大評価され、そのレベルに至らぬことに過剰に敗北感をもつ。イタリアではどうか。

プラットホームの方がエライと思っている節がある

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