「課税逃れ」の問題をめぐり、欧州の小国、アイルランドに対する風当たりが強まっている。12.5%と低い法人税率が、米企業の節税対策に利用されているとの指摘があるためだ。
アイルランド政府は「外国の企業を呼び込み自国の雇用を増やすため」と反論しているが、課税逃れの統一ルールに厳しい対応が盛り込まれれば、税制など経済政策の抜本的な見直しを迫られかねず、議論の行方を固唾をのんで見守っている。
「税率の設定は国家の主権だ。12.5%の法人税率は低いが、法に基づいて透明性は確保されている」
アイルランドのヌーナン財務相は、フジサンケイビジネスアイなどの取材に対し、同国が課税逃れの舞台となっているとの見方に、こう反論した。
アイルランドは人口460万人の小国。2008年のリーマン・ショックで大量の不良債権が生じ金融危機に陥ったが、欧州連合(EU)などの財政支援で経済に持ち直しの動きも見える。