企業活動や日常生活など社会全体に不可欠なインフラに育ったインターネットをめぐり、基幹ネットワークを「国有化」する案が波紋を広げている。
発信源はネット関連業界を代表する企業の一つ、楽天の三木谷浩史会長兼社長。三木谷氏は「インターネット・ICT(情報通信技術)アウトバーン構想」を提唱し、ドイツの高速道を踏まえて「あらゆる制限をなくして無料開放すれば最先端の通信環境が整う」とするものの、国有化への異論は少なくない。
政府の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)が1日に開いたIT関連の会合で主査を務めた三木谷氏は、後で「三木谷ペーパー」と呼ばれるようになった資料を配布。ネットや通信網を社会インフラと位置づけ、インフラ機能の分離とアクセスの平等性確保、公正競争の確保のために検討すべき課題として、国有化案を盛り込んだ。