オープンしたロールス・ロイスの東京ショールーム=6日、東京都港区【拡大】
高級輸入車各社が、日本で店舗増強に乗り出している。これまで国内に、専用ショールームを持たなかった英ロールス・ロイス・モーター・カーズが年内に専用店舗を計3店開設するほか、伊マセラティも、現在の16店舗を2015年までに25店舗に増やす方針を打ち出した。債務危機で販売が落ち込む欧州での販売減を、日本でカバーする狙いもある。
ロールス・ロイスは今月、東京ショールームを港区芝に開設した。オーダーメードサービスを強化。内装に使う木材や皮革素材のほか、塗装サンプルなどを備え、実際に購入者がそれらを手にしてテレビ会議で、英本社のデザイナーや職人とのやりとりできる。
トルステン・ミューラー・エトヴェシュCEO(最高経営責任者)は、「東京、横浜に続いて、年内に大阪にショールームを開設する」方針を示す。
マセラティも店舗拡大を急ぐ。かつては輸入代理店を活用していたが、昨年に日本法人を設立し、同社を通じて販売する手法に転換し、出店を強化する。
また、伊ランボルギーニも、ファッションブランドとの共同販促キャンペーンを展開。独ポルシェ、伊フェラーリも今年に入って日本で新型車を積極投入している。
各社が日本での販売を強化するのは、「ここ数年のさまざまな危機でも日本市場は力強く回復し、販売台数が安定している」(ロールス・ロイスのエトヴェシュCEO)ため。
また、各社が低価格シリーズを強化していることも背景にある。ロールス・ロイスは旗艦車「ファントム」より一回り小型の「ゴースト」を追加。マセラティも「エントリーモデルで台数を増やす」(日本法人のファブリッツィオ・カッツォーリ社長)戦略だ。