兵器販売を積極展開
さらにロシアの軍産複合体は、ルーブル安を利用して、国際価格競争力が出てきたロシア製兵器の販売を積極的に進めようとしている。
外貨を極力使わずに、ロシア製品を愛用するというアウタルキー(自給自足)経済を、ロシアはユーラシア圏で実現しようとしている。
このような体制転換に当たっては、新しいイデオロギーを構築する必要がある。まさに「アウタルキー」というイデオロギーをキリル総主教は説いているのだ。ロシアでは最近、保守主義が台頭している。その一部には外国人嫌いの排外主義的傾向がある。キリル総主教のこの演説は、経済上の排外主義を称揚する内容で非常に危険だ。(作家、元外務省主任分析官 佐藤優