2014.12.11 15:45
【本の話をしよう】
本を読むのも好きだが、人から本の話を聞くのが好きだ。その人の中に深く刺さっている本について聞くと、その人の内側に少しだけ触れたような気持ちになる。もちろん完全に理解できるなんて思わないけれど、その人の紛うかたなき本質を垣間見ることになる。
誰かが本を語るとき、それは自分語りにもなっている。本自体が一人でしゃべり出すことはない。本を読んだ人が、自身の感じたことを、自分なりに話すことによってしか、本は誰かに伝わらない。
先ごろ僕は、京都に住むさまざまな方に、本について語ってもらう機会を得た。「三度目の京都」というウェブコンテンツをつくっている京都在住の写真家、中島光行さんが編集長を務める『本の中の、京都。』という書籍の監修に関わったからだ。そして、この「京都人の語る京都本」によって、僕は京都と出会い直すことができた。まずは、僕が書いた序文を部分的に引用させていただきた。