2014.4.7 17:50
【本の話をしよう】
日本離島センターの最新データによると、日本には有人島が418もあり、無人島もいれるのなら、その数は10倍を超える。1989(平成元)年に発表された『第39回日本統計年鑑』以来、6852島がいちおう正確な日本の島の数ということになっているが、島の定義も年々変化しているから、これらの数字も今後かわってくるかもしれない。まあ、一生かかってもまわり切れないくらい、たくさんの島々によってこの国はできているというわけですね。
美容室から始まった交流
近ごろでは離島ブームというか、観光資源の少ない小さな島を積極的に訪れ、そこに「あるがまま」の自然や食を楽しんだりする人も増えてきた。竹富島のようにリュクスな宿ができ、連綿と続く島の伝統が再発見されるということも珍しくない。
けれど、そんなふうに話題となる島も、数多くある島々のほんの一握り。名を聞くことなく、あなたが一生を終えてしまうまで知らない場所が、この国内にさえ多々あるということだ。そして、40余りある沖縄県の有人島の一つ、渡名喜(となき)島も、写真集『島の美容室』(1)が出版されなければ、僕はきっと知ることがなかっただろう。