世界一の「美容整形大国」である韓国のソウル市当局は、地下鉄の駅構内などに氾濫している整形手術の「前」と「後」を比較した大型広告の規制に乗り出す。フランス通信(AFP)が3月27日までに伝えた。宣伝合戦が激化するなか、顔を大きく変える大がかりな手術の失敗で死者が相次ぐなど、社会問題化しているためだ。整形への抵抗感がない国民からも、過剰な整形を煽(あお)る広告への非難が高まっているという。
学校周辺では掲示禁止
「市民から、広告が容姿に関する強迫観念を増長させるとともに、見ていて不快になるといった苦情が増えている」
ソウル市の当局者はAFPの取材にこう語り、広告を規制する方針を明らかにした。
具体的には、地下鉄の駅構内に掲示する広告のうち、美容整形関連のものを20%以下に抑制するよう事業者に求める。広告内容も、術前と術後の写真やキャッチコピーが「過剰に扇情的」と判断した広告は掲示を禁止する。このほか、小・中・高校周辺のバス停では整形関連広告の掲示を禁止するという。