深海生物に人気が集まっている。海底の闇に潜む奇妙な姿や謎の多い生態が大人の好奇心を刺激しているようだ。地域活性化につなげようとつくった深海水族館が評判を呼び、深海生物を題材にしたカードゲームやカフェも登場している。
シーラカンスが目玉
「これが見たかった!」。静岡県沼津市の沼津港深海水族館。若い女性の2人連れが、暗い水槽の底で身動きしないダイオウグソクムシを眺めながら歓声を上げた。ダンゴムシの仲間で体長40センチほどもある深海生物だ。よろいのような硬い殻に覆われている。
2011年12月にオープンしたこの水族館は、珍しい深海生物を集めている。青白く発光するヒカリキンメダイや、未確認飛行物体(UFO)を連想させるメンダコなどが人気。「生きた化石」と呼ばれるシーラカンスを冷凍保存した展示も大きな目玉だ。1年目から20万人超が全国から訪れ、話題を呼んでいる。