加えて、「(人工妊娠中絶は)残念ながら、不要な食べ物や物品を廃棄するように、人の命を捨てる新たな“使い捨て文化”の一種である」と、米国に象徴される大量消費文化に対する批判と絡めて厳しく糾弾した。
これまでにはなかったこの厳しい批判は、ロイター通信や米紙USA TODAY、英BBC放送(いずれも電子版)など欧米メディアが1月13日付で大々的に伝えた。
昨年は「慈悲深く」発言
フランス通信(AFP)などによると、法王は昨年(2013年)9月19日、カトリックのイエズス会系雑誌とのインタビューで、同性愛者や離婚経験者、人工妊娠中絶について「慈悲深くあるべきだ」と訴え、かつての法王たちと異なり、一定の理解を求める姿勢を表明。
即位後初となるこのインタビューで「カトリック教会は何よりも“傷を癒やせる”存在でなければならず、教会が認めない行為に対しても、より深い同情と理解を示すべきである」と踏み込んだ発言もあった。
さらに「新しいバランスを見つけなければ、教会の倫理体系は砂上の楼閣(ろうかく)のように崩れ落ちるだろう」と警告すらしていた。