2014.1.14 12:45
フリーの4回転2本目は、助走しながら跳ぶギリギリの瞬間まで3回転にしようか迷っていた。迷っていた時点でダメ。実は1本目が成功したら2本目は3回転にするつもりでいた。1本目は転んだのに悪くない感触だったから少し期待した自分もいて、賭けで「もし奇跡が起こるなら」と言いながら4回転を跳びにいって案の定、失敗。練習で1回も成功していない僕にとって成功は自力より奇跡を望むしかなかった。でも無謀だった。もし良い状態であれば最大のチャレンジをするけれど、コンディションを考えれば、オリンピックのような日本の代表としての試合ではやってはいけないことだと思う。
死ぬくらいの気持ち
本番前はとにかく「4回転1本だけでもお願い」という気持ちだけだった。朝の公式練習から上がるときには氷に触って「お願い」をしたけれど、氷の神様から反感を買って、本番では氷で手を切った。あれは転倒で手を氷についた際にはよくあること。自分では全く気づかず、振り付けで手を前に出したときに出血に気づいた。そんなことよりも4回転2本失敗以降、絶対失敗はできない、とにかく思い切りやろうとしたのに、他のジャンプやスピンでも失敗したことがショックで、最後のステップでは「ああ俺はもう終わった…。これが滑り収めか…」と思いながら滑っていた。悔しいというより情けなかった。