「さあまずは、ムシを素揚げしますよ」と同館のスタッフが朗らかに説明する。生きたままのコオロギとミルワームを熱した油に落とすというのだ。お母さんたちが意を決したような表情で、手でつまんだコオロギを油の中にポトリ。ジュワーッと気泡が広がる中、コオロギが次々と空揚げされていく。
揚げたばかりのコオロギに塩を振り、全員で口へ…「めっちゃうまい」「エビみたいや」。私も思いきって口へ。カリッとした食感。そして噛むほどに濃厚なうまみが口中に広がる。確かにエビの空揚げを食べている感覚と同じだ。いける。
外はサクッ、中はトロリのミルワーム
ミルワームも食べてみる。外はサクッと、中は少しとろっとした食感。こちらもおいしい。子供たちには「こっちのほうがコオロギよりおいしいな」と人気だった。
不思議なことに、最初、悲鳴を上げていた母親たちも、覚悟を決めたのか、コオロギも食材だと割り切ったのか、野菜や魚を天ぷらにするかのように、平然と揚げていく。