2017.1.13 14:00
ピコ太郎のライブ。「PPAP」は「まさに発明ソングだ」と知財関係者にも人気が高い(川崎市)【拡大】
世界的な大ブームを巻き起こしているピコ太郎の「PPAP」。実は知財関係者の間でも「まさに発明ソングだ」と評判がいい。もし今、ピコ太郎が世界中の発明家や研究者、事業家などへ向けて、リアルなPPAP製品の開発、実現を呼びかけたなら、どうなるか。
ひょっとすると、多くのアイデアと資金、技術などが集まって合体し、数々の連携プロジェクトが組成され、そこで生まれるさまざまなPPAP製品が世界中で売られるかもしれない。世界的なイノベーションアワードを総なめにする製品が誕生すれば、さぞ楽しいだろう。
では莫大(ばくだい)なもうけが出たとして、その製品の具現化に参加した人たちへの対価はどう配分するか。まず、ピコ太郎には多額のブランド使用料が入るだろう。ちなみに8日までで、国内ではエイベックス・グループ・ホールディングスなど2社が「PPAP」の商標を出願済みで、ピコ太郎自身は出願していないようだ。
次に参加者はどうか。当然、事前の契約は欠かせない。提供した労力、資本、知財、情報などに対する評価を決め、貢献度を対価として計算できるようにしておく必要がある。対価は不要という無償提供者にも契約は必要だ。他人のアイデアを盗用する者がいたなら、製品の生産や販売が差し止められ、損害賠償請求されるかもしれないので、契約には保証や補償の項目も入るだろう。このようにPPAP製品の実現には、多くの交渉、契約が必要になる。しかも世界中が相手だ。