ラズベリーパイとは機能が異なるが、同じくプログラミングや電子工作を学べる「アルドゥイーノ」はイタリア発祥で約3000円。米国のオークションサイト「イーベイ」ではコピー品が送料込み3・5ドル(約420円)で売られており、注文すると中国の深セン市から送られてくるという。
こうした製品が、パソコンメーカーのひしめく日本や米国ではなく、英国やイタリア、果ては中国で企画、製造され、爆発的に売れている事実は軽視できないだろう。
日本でもBASICプログラミングに特化した「子どもパソコン IchigoJam(イチゴジャム)」や、アルドゥイーノより高性能な「GR-SAKURA」などが開発、販売されているが主流ではない。イチゴジャムやラズベリーパイを使ったプログラミング教育を行っている小中学校もわずかだ。
ラズベリーパイの愛好家が集うHPでは、海外の小中学生が力作のプログラムを公開している。貧しい生活のなか、5ドルのパソコンに自分の将来をかけてプログラミングを学び、論理的な思考を身につけた世界の子供たちが大人になったとき、日本にも同じような人材が育っているだろうか。