知財訴訟になる可能性も
ある知財関係者は「この手法は企業が資金繰りに困っている状態なら、知財を担保に運転資金を獲得したのと同じ。いずれ出資を受けたのと同じ効果を持つようになるのではないか」と分析。
知財名目でも契約数が増えて資金提供が度重なれば、経営が影響を受け、徐々に中国系企業の傘下に組み入れられる可能性を指摘する。
最大のポイントは名義変更をしないケースだ。このため、どの企業に中国の資金が入ったかを把握できない。もし資金を得た企業に権利侵害をする企業などがあれば、中国企業が後ろにいて知財訴訟になる可能性もある。
逆に、名義変更がないため中国の買い手側が当該特許や技術を転売しようとする際、日本企業が権利の保有権を主張して拒否することもできる。
2つ目のポイントは、日本企業に中国企業の背後を調査する能力が乏しい点。中国の政府や政府系機関、政府系企業関係の資金かもしれず、譲渡先は製造会社ではなく権利活用会社の可能性もある。