2012.7.8 07:47
福島第1原発事故で、東京電力が録画していた福島第1原発と東京の本店などを結ぶテレビ会議の録画映像を公開するよう求める声が強まっている。事故解明の“一級資料”とされ、その一端は5日に公表された国会の事故調査委員会の報告書で明らかにされたが、東電は「プライバシーの問題がある」と映像の公開を拒否したままだ。(原子力取材班)
生の声を収録
「こんな悠長でいいのか」「物だけもらっても人がいない」-。5日公表された国会事故調報告書に盛り込まれたテレビ会議の記録は、事故対応に追われ、官邸の介入で混乱する現場の声を生々しく再現した。
政府と東電で主張が対立している東電社員の全面撤退問題について、国会事故調が「菅直人首相(当時)が『全面撤退』を阻止した事実は認められない」と結論づけた根拠のひとつも、テレビ会議の映像だった。
映像には菅氏の東電本店での“叱責”や、政府・東電統合対策本部での政治家の発言も残されているとされ、事故対応の検証に欠かせない重要資料だ。
枝野幸男経済産業相も「なぜ公開しないのか意味不明だ」と公開を求めているが、東電は「社内資料でプライバシーの問題がある」と拒否し続けている。