25年に及ぶAI(人工知能)のノウハウ、安価でありつつ人間を超える精度の認知技術、そして日本独自のアプローチで、エンタープライズだけでなく、個人向けの居酒屋でも導入が始まりつつある日本マイクロソフトのAI展開戦略などについて、社長の平野拓也氏が説明を行った。
培ったノウハウ
Microsoftの会計年度は7月に始まり、この12月で上期を終えた。今期のテーマは「顧客のデジタルトランスフォーメーション(デジタルへの移行)の支援」だったが、平野氏は、その移行速度はますます加速しており、ビジネスの環境も変化し、ユーザーの関心も高まっているのを実感したと、上期を振り返った。
それに合わせて、日本マイクロソフトでも体制を見直し、営業に臨んでいるが、デジタルトランスフォーメーションの鍵となるのがAIだ。米国本社では5000人規模のAI組織を構成するなど、大きく力を注いでいる。
AIについては、AlphaGoで人間のトップ棋士を打ち負かした米グーグルや、CES2017で会場を席巻した米アマゾン・コムのAlexaなど競合の存在感が強い。そういった中、平野氏は「当社はAIについては25年もの間、開発を行ってきたノウハウがある。実際、AIに関する当社の特許数は1100あり、2位のグーグルの2倍以上。認知技術(コグニティブ)についても、人間を超える精度を実現しており、Botにも取り組んでいる。