自動車業界でインターネットに常時接続する「つながるクルマ」の開発が加速している。道路状況に合わせて地図を更新したり、事故時に自動で通報したりすることで渋滞や事故被害の緩和が期待できる。トヨタ自動車や米フォード・モーターなどのメーカーに加え、車部品最大手の独ボッシュがサービスを始めるなど競争が激しくなっている。
ボッシュが2021年の実用化を想定する試作車は、車内のディスプレーで指紋認証すると自宅や職場とネットでつながる。自動運転を使えば車内でビデオ会議ができ、自宅のインターフォンを通じて宅配便を受け取ることも可能になる。
ボッシュは温度や圧力、傾きなどを検知する微細センサーで世界首位。車両や運転手の情報を集めることが前提のつながるクルマにも不可欠な技術だ。
日本法人のウド・ヴォルツ社長は「センサーはすでにあらゆる車種に搭載しており、ソフトウエアの向上や公道での走行テストを進める」と話す。日本での第一歩として、事故時に自動でコールセンターにつながり通報するサービスを年内に開始する。