三菱自補償“雪だるま”式の恐れ 不正対策費、財務基盤の根幹むしばむ (1/3ページ)

2016.5.10 07:08

東京都港区の三菱自動車本社のショールーム
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 三菱自動車の燃費データ不正問題への対策費用が“雪だるま”式に膨らむ可能性が出ている。問題のある車の所有者や関係企業への補償が避けられないためで、補償の範囲や金額次第では三菱自の財務基盤の根幹を揺るがす恐れもある。

 三菱自は、燃費データを意図的に改竄(かいざん)していたことが判明した軽自動車「eKワゴン」など、4車種のユーザーに対する補償の検討をまず優先している。対象は、2013年6月以降に生産した供給先の日産自動車の販売分を含めた合計62万5000台。三菱自は、問題のあった車の保有者に対し、余分に払ったガソリン代を補償する意向という。

 問題車両は中古車としての価値下落が確実なことから、問題発覚後の値下がり分も考慮した補償も検討する。加えて不正判明車種は「エコカー減税」対象だったことから、今後の調査で実際の燃費が悪かったことが分かれば減税対象から外れるため、三菱自が追加納税分の全額を支払うことになる。野村証券では、こうしたガソリン代やエコカー減税の補償だけでも費用は計425億~1040億円に上ると試算している。

対策費は保有者向けにとどまらない

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