カセットやビデオのテープが姿を消す中、記録メディアとしての磁気テープの需要が拡大している。さまざまな業種にビッグデータの活用機運が広がり、膨大な情報を蓄積・管理するニーズが高まっているからだ。データセンターなどでは従来、ハードディスク駆動装置(HDD)や半導体のフラッシュメモリーを使った記録装置が利用されてきたが、一部が磁気テープに置き換わってきた。単位当たりの容量が大きく、コストを抑えられる利点が注目されている。
コンピューター用の磁気テープは、1965年に富士写真フイルム(現富士フイルムホールディングス)が初めて発売した。世界シェア首位の富士フイルムが昨年11月に発売した磁気テープの記録容量は15テラバイトだ。1テラバイトはDVD約200枚分に相当する。
企業や研究機関などが収集し、データセンターなどに蓄積する情報は加速度的に増えている。すべてのモノがネットにつながるIoT(インターネット・オブ・シングス)を事業に生かす需要も加わり、さまざまなデータを消去せずに取っておく必要性に迫られているからだ。