経営再建中のシャープと、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は2日、鴻海がシャープを買収する契約を結んだ。シャープは3888億円の出資を受け、日本の電機大手で初となる外資傘下での復活を目指す。両社は共同運営する堺市の工場で記者会見を開き、鴻海の郭台銘会長は「短い期間で黒字化できる」と強調、2~4年程度での再建に自信を示した。
郭会長は「頭の中には(再建の)明確なロードマップがある」としたが、再建計画の具体的な内容には言及しなかった。シャープ社員の雇用に関しては「なるべく全員残ってもらえるようにしたい」と述べた。鴻海は4月末までに新経営陣のうち最大3分の2の候補者を指名する見通しだ。
シャープは出資を受け、独自技術を持つ液晶や次世代パネルの有機ELといったディスプレー関連に投資を集中し、競争力の回復を図るとともに、鴻海の生産能力や世界的な販売網、顧客基盤などを活用して再建を急ぐ。