シャープの決め手は何だったのか 巧みな“情報戦”既に負けていた革新機構 (1/4ページ)

2016.2.26 07:06

報道陣に取り囲まれ、車に乗り込むシャープの高橋興三社長=25日午後、東京都港区

報道陣に取り囲まれ、車に乗り込むシャープの高橋興三社長=25日午後、東京都港区【拡大】

 台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業と産業革新機構の両案の間で揺れたシャープ経営陣は25日、国内電機大手として初めての外資傘下入りという歴史的な決断を下した。その決め手となったのは何だったのか。

 4年前のトラウマ

 「鴻海の買収を受け入れます」。同日の臨時取締役会後、東京都港区のシャープ東京支社で、高橋興三社長は記者団にこう言い残して、足早に送迎車に乗り込んだ。

 シャープは実は、4日に鴻海との交渉に重点を置くと表明した後も、革新機構と契約書づくりの協議を続けていた。そもそも同日の取締役会で決議したのは、鴻海と革新機構の両案の継続審議。それを高橋社長から連絡を受けた鴻海の郭台銘会長が、革新機構と同列でないと強調することを求めてきたのだ。

 交渉決裂さえほのめかしてきた強引な要求を受け、高橋社長が会見で「リソース(人材)をより多く割いているのは鴻海の方だ」と発言。主力取引銀行幹部は「鴻海の要求と革新機構への配慮の板挟みになった上での表現」と指摘するが、鴻海優位の情勢はこうして固まった。

一方、シャープ側には破談に終わった4年前の出資交渉のトラウマがあった

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