日本政策投資銀行は11日、東証1部上場の鬼怒川ゴム工業に株式公開買い付け(TOB)を7月にも実施し、全株式の取得を目指すと発表した。政投銀が上場企業にTOBを実施するのは初めて。政投銀は、企業の競争力向上や、地域経済の活性化のための投資に力を入れている。
現在、鬼怒川ゴムの発行済み株式の2割を日産自動車、1割を東洋ゴム工業が保有しているが、政投銀は526億円で全株式の取得を目指す。日産と東洋ゴムはTOBに賛同している。
政投銀は国内外に幅広い取引先を持っており、鬼怒川ゴムの販路拡大などを支援する。企業価値が高まった段階で株式売却を検討するとみられる。
鬼怒川ゴムは自動車向けゴム部品の製造を手掛けている。2015年3月期連結決算の売上高は761億円、最終利益は42億円。