2016.2.28 17:12
正規・非正規の総雇用者数は4.9%増だが…
2016年も、春闘のシーズンを迎えた。
ベースアップや定期昇給など賃上げに関する記事が新聞を賑わせそうだ。昨年は、政府主導の”官製春闘”のもと、「こんなにベースアップが広がった」というトーンの報道が相次いだ。だが、そうした記事に違和感を持った人が少なくなかったのではなかろうか? なぜなら、自分自身の賃金が実際には大して上がらなかった人が多かったからだ。
「実際のところは、どうなんだろうか?」。そんな疑問にお答えするデータを披露しよう。
筆者が、賃金調査として信用をしているのは、次の2つである。
・国税庁の民間給与実態調査(年末調整の結果を集計したもの)
・厚生年金事業年報(厚生年金の保険料の元になる賃金の動向がわかる)
この2つに共通しているのは、民間勤労者の賃金の現物を調べていることだ。いわゆるサンプル調査ではない。この国税庁の民間給与実態調査は、最新版のものが平成26年である(平成28年1月時点)。