2016.1.6 06:40
■【世界へ 日本テクノロジー】成長へ新たな挑戦(下)
日本の空の玄関口、羽田空港の国際線ターミナルから多摩川を挟んだ対岸に広がるライフサイエンス(生命科学)分野の国際戦略拠点「キングスカイフロント」。川崎市川崎区殿町地区にある40ヘクタールの土地には、世界的な医療機器メーカーや先端医療技術の開発に挑むベンチャーなど、多彩な企業が進出を果たし、ようやく街としての形が整い始めた。同市の福田紀彦市長は「地政学的な使命感を感じる」と話す。
同市の臨海部は京浜工業地帯の中心に位置し、戦後の高度経済成長を支えた。1972年のピーク時には、同区の従業員4人以上の事業所数は約1050カ所に達した。
しかし、その直後のオイルショックや80年代後半以降の円高の影響で製造業の海外移転が進んだ。さらに、地元の雇用や経済を支えてきたいすゞ自動車が撤退し、空洞化に追い打ちをかけた。