日本のファストフードの草分けともいえる立ち食いそば業界が、生き残りに向けメニューの高級化や新型店舗の開設など、あの手この手の新機軸を打ち出している。牛丼チェーンなどに客足を奪われ、中小の立ち食いそば店が相次ぎ廃業するなか、大手チェーン各社は、客単価を上げたり、サラリーマンを中心としていた顧客層の裾野を広げたりすることで反転攻勢をかける計画だ。
高付加価値メニュー
夏真っ盛りの8月5日、小田急新宿駅コンコース。小田急線沿線を中心に52店舗が展開されている「名代 箱根そば」の開業50周年記念キャンペーンで行われたメニューコンテストの入選作品がお披露目された。
入選作は「夏の衝撃!ミョウガとトマトの冷しカレーそば」と「冷しキーマカレーそば」。それぞれ期間限定で1杯500円で提供された。入選の決め手は刺激的なカレー味という斬新なアイデアだ。
箱根そばを運営している小田急レストランシステムの清水一洋・箱根そば事業部長は「高付加価値メニューを提供し販売を伸ばす」とコンテストの狙いを語る。