東芝は31日、利益水増し問題を受けて延期していた平成27年3月期の有価証券報告書について、7日までの再延期を関東財務局に申請し、承認された。これに伴い、31日に予定していた27年3月期連結決算の発表を延期した。資産価値の見直しなどで1750億円の損失を計上し、最終赤字に転落するとの見通しを示していたが、税引き前損益の修正などに時間がかかったと説明。上場企業が決算の公表延期を繰り返す異例の事態となっている。
東芝によると、複数の国内・海外子会社で会計処理が適切かどうか調査すべきケースが新たに見つかり、固定資産の減損額に伴う費用の計算の見直しなどが必要になったという。このため、税引き前損益の再計算の確定が8月27日までかかってしまい、税金費用の計算や連結財務諸表の確定などが予定より遅れることになったとしている。
室町正志会長兼社長は31日夜、東芝本社で記者会見を開き、「皆様に多大なるご迷惑、ご心配をお掛けし、改めて深くおわびする」と謝罪した。また、7日までに有価証券報告書を提出できなければ「進退問題を含めて考えないといけない」と述べた。