「30年後には、ロボットの数が地球の人口を超える可能性もある。その頃には、ソフトバンクの中核事業になっているだろう」
孫正義社長は会見で、ヒト型ロボットのビジネスに長期的視点で取り組む考えを強調した。「製造原価を下回る価格」(孫氏)に抑えたのも収益化より普及を優先する狙いからだ。「当面は研究開発のつもりで、5年後くらいに黒字化できれば」と構える。
「ペッパー」を初披露した昨年6月以降、一般発売に向け多くの改良が加わった。とりわけ強化したのが目玉機能の「感情認識エンジン」。持ち主とのやり取りなどを素材に、ペッパー自身の気分が刻一刻と変わって会話や動きに反映されるよう改良。「一緒に暮らして飽きない家族の一員」に仕上げた。
家庭用需要は未知数だが、接客や介護などのサービス分野では、すでに1000社から引き合いがあるという。法人向けで利益を確保しながら量産効果によるコスト削減を図り、普及を加速させる好循環につながるか注目される。