広い風呂で体も心もポカポカにしてくれる温浴施設が、生き残りの岐路に立たされている。都市郊外で展開する「スーパー銭湯」「日帰り温泉」はブームも去り、幅広い年代が楽しめるサービスや、海外進出に活路を見いだす。一方、市街地に残る銭湯は、経営者の高齢化や後継者不足で廃業に歯止めがかからず、自治体からの支援が頼みの綱だ。
「星空」眺め岩盤浴
満天の星空を、若いカップルがタオルの上であおむけに寝そべりながら眺めている。光り輝く星座に「あれが北斗七星だね」と見とれていると、流れ星がキラリ。ロマンチックなムードが高まる。
こう聞くと、屋外を連想するだろうが、さにあらず。全国で39店舗を展開するスーパー銭湯最大手、極楽湯が昨年8月に横浜市鶴見区にオープンした大型スパ(温泉)施設「RAKU SPA(らくスパ)鶴見」は、ドーム状の室内で本格的なプラネタリウムを見ながら岩盤浴が楽しめる。
それだけではない。炎の揺らぎを忠実に再現したLED(発光ダイオード)のキャンドルや、細胞が活性化されて美肌効果もある鉱物「シュンガイト」を置くなど、岩盤浴は6種類もある。