ネコの旅路と進化、感染ウイルス目印に追跡 品種の起源探る手掛かりに (1/3ページ)

2015.3.18 06:30

 ネコが世界各地に広がっていった旅路が分かるかもしれない。ウイルスの感染によってDNAに組み込まれた痕跡を目印に、移動や品種の起源を探る手法を京都大などが見いだした。ネコの進化の謎を解明する新たな手掛かりとして期待される。(黒田悠希)

 中東が故郷

 ペットとして世界中で飼われているネコ。多様な品種(血統)があるが、全てヤマネコの亜種の「イエネコ」だ。祖先は中東の砂漠地帯で暮らす野生のリビアヤマネコとされる。農耕が始まったことで穀物を食い荒らすネズミの駆除が必要になり、約1万年前に家畜化されたようだ。

 地中海のキプロス島では約9500年前の遺跡から、成人とともに埋葬された子ネコの骨が見つかっている。古代エジプトはネコとの関わりが深く、約6千年前の先王朝時代の墓から骨が発掘された。

 文明が世界に広がるにつれて、ネコも人間と一緒にアジアや欧州へ移動。大航海時代には新大陸へ渡った。シルクロードを旅した仏教徒や交易商人、船乗り、探検家などが連れて行ったと推測できるが、詳しいルートは分かっていない。品種の起源についても、記録が十分でなく諸説ある。

欧米に向かったネコだけがウイルスに感染

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