不適切会計問題に揺れる東芝は今月から、執行役や取締役の役員報酬の一部を削減する。田中久雄社長は50%をカットする。15日に発足した第三者委員会による全容解明の調査には時間がかかる見通しだ。
2015年3月期の連結決算を6月中に発表できる見通しは立っておらず、減額修正の規模や問題の悪質さによっては経営責任を問われる事態に発展する可能性もある。
田中社長が15日夜、東京都内で会見し、陳謝した上で報酬カットを明らかにした。同社はインフラ工事で原価の過少見積もりがあったとして、14年3月期までの3年間で営業利益が累計500億円余り減るとの見通しを公表している。
過少見積もりについて、田中氏は「対象の工事は9件で、大半が国内」と説明した。
9件は原子力・火力発電などを手掛ける電力システム社、送配電システムなどの社会インフラシステム社、ビル管理などのコミュニティ・ソリューション社の3つの社内カンパニーによるものだが、第三者委は他の社内カンパニーや連結子会社も調査する。