電機大手8社の2014年4~12月期連結決算が4日出そろい、円安を背景に営業利益ベースでシャープと富士通を除く6社が増益を確保した。インフラなど重電系の事業で安定的に稼ぐ企業が目立つ一方、価格下落や在庫のリスクがある家電部門では海外のテレビ撤退やリストラなどの改革を打ち出す企業が相次ぎ、収益性の回復は道半ばだ。ソニーは4日、15年3月期の営業損益予想を赤字から黒字に転換、収益体質を取り戻すことができるか正念場を迎える。
ソニーはスマートフォン事業の営業権の減損処理で4~12月期は201億円の最終赤字となったが、営業利益は前年同期比17.5%増と業績改善の兆しが見られた。
15年3月期予想は、昨年10月時点の見通しより売上高を2000億円多い8兆円に引き上げたほか、営業損益を400億円の赤字から200億円の黒字に転換。最終赤字は2300億円から1700億円に縮小する見通し。
牽引(けんいん)役はデバイス事業。中国など新興国市場でスマートフォンの需要拡大に伴い、カメラに使われる画像処理用半導体「イメージセンサー」の販売が増えた。通期で連結営業利益の改善幅は600億円だが、330億円は同事業が寄与する。新興国のスマホ需要では、三菱電機も生産設備であるFA(ファクトリーオートメーション)システムの販売増が業績の上方修正の要因となった。