IT化で消えゆくチョーク 国産老舗メーカーが3月に廃業 (2/3ページ)

2015.1.23 05:20

人気商品「フルタッチ」を手にする羽衣文具の渡部隆康社長=愛知県春日井市

人気商品「フルタッチ」を手にする羽衣文具の渡部隆康社長=愛知県春日井市【拡大】

 ■製造方法引き継ぎ

 こうした「激変」がチョークメーカーの経営に深刻な打撃を与えつつある。国内2位の老舗「羽衣文具」(愛知県春日井市)は15年3月に自主廃業することを決めた。軽い書き心地の「羽衣チョーク」で知られる老舗だが、需要の落ち込みに歯止めがかからず、後継者の不在問題も解消できなかった。

 羽衣文具の前身は1932年に名古屋市で創業した「日本チョーク製造所」。学校や予備校向けチョークを製造して事業を拡大し、90年には国内トップメーカーとして年間約8700万本を製造した。

 だが、ここ数年は年間約4000万本まで落ち込んだ。羽衣文具の渡部隆康社長は「教育のIT化が著しく進み、チョーク市場はこれからも縮小していく」と話す。

 羽衣文具には「折れにくく、スラスラ書ける自信作」(渡部社長)という人気商品「フルタッチ」がある。

廃業決定後、全国の学校や予備校から問い合わせが相次ぐ

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