2014.12.3 21:48
タカタ製エアバッグのリコール問題に収束の見通しが立たない。リコールが全米規模に広まれば、交換部品の供給不足は必至。タカタは部品の増産に乗り出すとともに、ライバル社製品の活用も進め、なんとかリコールに対応しようとしている。一方、リコールに消極的との批判が強まる中、自動車メーカーが合同で第三者機関による原因究明を行う動きも出始めた。
タカタは3日の声明で、交換部品の増産を、すでに発表したメキシコ工場に加え、中国とドイツの工場でも行う方針を明らかにした。さらに需要に対応するため、「他の部品メーカーと協力し、あらゆる対応を行っていく」と強調した。
これまでタカタや自動車メーカーは全米でのリコールに消極的だった。供給が限られる中、部品が本当に必要な地域や車両に行き渡らなくなるからだ。
高度な安全性能が求められるエアバッグは製造できるメーカーが少なく、約2割のシェアを持つタカタのほか、首位のオートリブ(スウェーデン)や米TRWなどで寡占状態にある。問題が起きたからといって、自動車メーカーが別のメーカーに切り替えるのは難しい。
タカタは「現時点で必要な量は足りている」と強調しているが、すでにリコール台数は世界規模で膨らみ、供給不足が表面化するのは時間の問題だ。