東レが米航空大手、米ボーイングから機体などに使う軽量素材の炭素繊維を1兆円分受注することが17日、分かった。契約期間は10年以上で、ボーイングの次期大型機「777x」などに採用される見込み。東レは約1千億円を投じて米国に新工場を建設し、大量受注に対応する。
両社が同日午後、都内で記者会見を開いて発表する。炭素繊維は最新の高機能素材で、鉄に比べて強度が10倍、重さは4分の1程度。燃費性能の向上が求められる航空機で、東レは平成18年からボーイングと供給契約を結び、現行の中大型機「787」にも採用されている。
両社は777xの製造開始を視野に契約を更新する。東レはボーイング向け炭素繊維を供給している愛媛工場(愛媛県松前町)や米アラバマ州の拠点に加え、米サウスカロライナ州に取得済みの約160万平方メートルの用地に新工場を建設して生産態勢を整える。