2014.10.19 07:09
「列車そのものが観光対象になるという、これまでの旅の概念を根本的に変えた」(工業デザイナーの水戸岡鋭治氏)
JR九州が社運をかけた豪華寝台列車「ななつ星in九州」には、1年間で2601人が乗車し、そのうち4分の1が再び応募するなど、乗客の心をがっちりつかんだ。当初は社内で危ぶむ声もあったが、ななつ星に乗車を希望する人の応募倍率は、当初の7・3倍(平成25年10月~12月出発分)から、33倍(今年12月~27年2月出発分)に跳ね上がっている。
成功の要因は何か-。贅(ぜい)をこらした列車に、研鑽を積んだクルーの接客もあるが、ななつ星発案者の唐池恒二会長は「地元住民の歓迎の気持ちがななつ星の重要な財産だ」と指摘する。
実際、沿線の歓迎ぶりはJR九州の想像を超えた。停車駅ごとに、地元住民が伝統芸能を披露し、特産品を振る舞う。