神戸製鋼所の子会社で環境装置大手の神鋼環境ソリューション(神戸市中央区)が本格的に始める「ユーグレナ(ミドリムシ)」の量産化に注目が集まっている。ユーグレナは栄養素や油脂分を大量に含む単細胞生物。用途は食料品からジェット燃料までと幅広い。安定生産が実現すれば、ユーグレナを使った商品の開発も一気に進むことが期待される。
神鋼環境が量産化するユーグレナは、筑波大学と共同研究で発見したもの。バイオ燃料として有望と考えられてきた他社が研究する「ユーグレナ・グラシリスZ株」と比較して、増殖速度が重量ベースで2倍以上あって、生産性に優れているのが特徴だ。
また、ユーグレナから得ることができる特有の栄養成分「パラミロン」が酸素のない状態に置かれると、バイオ燃料の元となる油脂成分「ワックスエステル」を作り出すことも確認。バイオマス乾燥重量当たり70~80%のパラミロンを蓄積する培養条件も確立しているという。