原料や燃料の価格高騰の影響が広がっている。重油や油脂などの価格高止まりに、円安の定着が輪を掛けて経営を圧迫。コスト削減などの企業努力も限界に近づいており、ガラスなど素材の一部に値上げの動きが連鎖的に波及してきた。毎日使用する日用品への影響も避けられず、家計を直撃しそうだ。
パーム油4割上昇
「原材料高が想定以上にきている。1番大きいのはパーム油、ヤシ油の高騰で、かなり大きなリスクだ」
花王の沢田道隆社長は今月7日の記者会見で、そう厳しい表情で語った。パーム油やヤシ油は、洗剤「アタック」シリーズなど主力製品の原料だ。パーム油の指標となるマレーシア市場の7月の平均価格は1トン=3487.5リンギット(約11万5000円)と1年前から約4割上昇した。
その結果、花王の2014年12月期中間決算で、原料価格上昇は営業利益を約70億円押し下げた。通期で予想していた50億円の影響をすでに上回り、「今の予測で約130億円(の利益押し下げ要因)になる」(沢田社長)と業績を圧迫している。