フランスの重電大手アルストムのエネルギー部門買収をめぐり、三菱重工業と独電機大手シーメンスは20日、計70億ユーロとしていた出資額を82億ユーロ(約1兆1400億円)に引き上げると発表した。競合する米ゼネラル・エレクトリック(GE)が19日、アルストムと折半出資で3合弁設立などを盛り込んだ修正案を打ち出したことへの対抗措置。条件を引き上げることで、交渉を有利に進めたい考えだ。
今回の修正提案では、三菱重工は現金による出資額を39億ユーロに引き上げ、アルストムと蒸気・原子力タービンなど3事業を束ねる持ち株会社に40%を出資すると改訂した。
三菱重工は当初、31億ユーロを投じて3合弁を作り、アルストムの蒸気・原子力タービンに40%、水力発電と送配電機器に20%出資すると提案していた。三菱重工がアルストムに最大10%出資する案は据え置く。