大和証券グループ本社の日比野隆司社長は14日、東京株式市場の取引時間拡大に向けて議論されている夜間取引導入や夕方取引の導入について「反対する」と否定的な考えを明らかにした。大手証券会社のトップが東証が検討している夜間取引の導入について反対を明言したのは初めて。
反対の理由について、日比野社長は「ニーズが限定的」を挙げ、「社会コストや効果があるかということをしっかり議論する必要がある」と述べた。14年度の経営戦略説明会後、記者団の取材に答えた。夕方取引についても「大変な影響がいろいろなところに出る。夜間(取引)がダメだから夕方というのはやめた方がよい」と述べた。
一方、説明会では、赤字が続く海外事業について「米国は黒字基調で、欧州の黒字化も視野に入っている」と海外事業の採算性改善を強調。「赤字の幅は小さくなっており、収支均衡・黒字化は希望がもてる」と述べ、今年度中に黒字化するとの見通しを示した。
また、日比野社長は14日までにフジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、リテール部門の強化などについて語った。