消費税率8%への引き上げを前にした化粧品の駆け込み需要が想定を大きく上回り、メーカー各社の2014年3月期業績を押し上げている。一方で、増税直後の反動減は想定の範囲にとどまり、業界は消費税増税の恩恵だけを受ける形になった。
「特に高価格帯化粧品が、買いだめの対象になったのではないか」
資生堂の魚谷雅彦社長は25日の決算発表記者会見で、こうした見方を示した。中価格帯から高価格帯商品が高い伸びを示し、特に3月下旬からは前年の2倍の売り上げとなった。同社の14年3月期の売上高は7620億円のうち、約120億円が駆け込み需要による効果という。
コーセーも21日、1800億円と予想していた同期の売上高を過去最大の1900億円に上方修正した。「スキンケア中心に百貨店の伸長率が高く、前年の2倍近く売れた。50億円程度は駆け込み需要による売り上げ」とみている。