三菱重工業は31日、民間航空機用エンジン事業を分社化すると発表した。航空機用エンジンで国内最大手のIHIから一部出資を受け入れ、部品の生産委託も行う方針。航空機市場の拡大でエンジン事業は成長が見込まれているが、開発や生産のコスト負担が大きい。分社化して資本力を強化し、効率的な生産体制を構築する狙いがある。
三菱重工が分社化するのは、航空機用エンジン・部品の設計や製造などの事業。売り上げ規模は数百億円で、部品を米プラット・アンド・ホイットニーなど欧米のエンジンメーカーに供給している。
三菱重工は新会社を10月1日に設立する予定で、IHIと日本政策投資銀行が一部出資する見通し。IHIにエンジンのブレードの生産の一部を委託、互いのコスト負担を軽減する。
ただ、IHIの出資比率は数%に止まる見込み。両社にとって注力事業であるうえ、顧客のエンジンメーカーが競合関係にあることなどから、事業全体の統合には踏み込まない。