2014.3.31 06:00
羽田空港国際線の増便初日、社員に見送られ同空港を離陸する全日空の旅客機=30日午前【拡大】
羽田空港の国際線が30日に拡充され、全日本空輸や日本航空など航空各社が新設・増便路線の運航を始めた。従来は深夜早朝に限られていた欧州や東南アジア向けの中長距離路線が昼間に利用できるようになり、羽田の国際線は約5割増の1日約80便となった。
ビジネス客の利便性が高まるほか、日本各地と海外各都市を結ぶ乗り継ぎ拠点としての重みが増しそうだ。
全日空と日航が運航する羽田の国際線は従来、ともに1日10路線13便だったが、全日空はベトナムのハノイや英国のロンドンなど7都市に新規就航するなど、17路線23便に大幅増便。日航もロンドン線で自社運航を始めるなどしたほか、深夜早朝ではベトナムのホーチミン線を就航し、12路線17便に増えた。
同日、新規就航した全日空のハノイ行きは乗客208人を乗せて出発。セレモニーで篠辺修社長は「ビジネスや旅行など幅広いニーズで利用いただけるよう、ネットワークやサービスの拡充に努める」と述べた。日航のロンドン行きの初便も乗客179人を乗せて飛び立った。
羽田は日本各地の50都市と結ぶ豊富な国内線の路線網を擁する。今回、昼間の国際線の路線や便数が増えたことで、その日のうちに地方から海外の目的地に到着できるケースが増える。日航の植木義晴社長は「国内線-国際線のハブ(拠点)としての新しいスタートを切った」と語る。
地方から海外に行く場合は、韓国の仁川(インチョン)国際空港など海外空港で乗り継ぐケースも一定程度ある。だが、全日空の篠辺社長は「国内線と国際線を有機的に結びつけることで、地方空港から海外に逃げていた利用客を羽田に吸い寄せることができる」と指摘。今後、羽田経由で日本各地と海外各都市を往来する利用客の増加に期待を示した。