企業規模が大きくなると、どうしても組織の風通しは悪くなる。この課題に自動車部品最大手のデンソーが出した解決策は「全社運動会」だ。ただし、規模はハンパでなく、予選段階で延べ1万人を超える社員が参加する。社員は、日頃の接し方でちょっと遠慮しがちな上司といっしょになって優勝旗をめざす。競技の“番外編”には、役員が仮装して走る障害物競走もあり、トップから一般社員まで、なんの隔てもなく盛り上がる。職場の一体感への効果は抜群のようだ。
決勝は6競技に4500人が出場
昨年10月27日の日曜日。澄みきった青空の下で「2013年度全社運動会」の決勝大会が同社高棚製作所(愛知県安城市)グラウンドで開かれた。生産拠点が集まる愛知県と三重県を9地区に分け、各地区予選を勝ち抜いたチームが決勝大会に出場できる。
競技は大縄跳び▽綱引き▽玉入れ▽ムカデ競争▽障害物リレー▽年代別リレーの6つ。簡単な種目ばかりを集めたのは、誰もが参加できるようにという配慮だ。地区予選に参加した社員は計約1万4千人。決勝大会には家族も含めて約4500人が出場した。