三菱重工業は12日、2015年の初飛行を予定する小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の生産態勢を発表した。量産に向け、神戸造船所(神戸市)や松阪工場(三重県松阪市)に製造ラインを新設するほか、名古屋空港(愛知県豊山町)近くに最終組み立てを行う新工場を建設する。
神戸造船所では商船の生産撤退によって空いたスペースに主翼の製造ラインを構築。これまでカーエアコンを生産していた松阪工場に、尾翼の組み立てを行う設備を導入する。
胴体や主翼の組み立ては飛島工場(愛知県飛島村)などで実施。名古屋空港に近く、現在、試験機の組み立ても行っている小牧南工場のそばに新工場を作り、最終組み立てを行う計画だ。
飛行試験などは名古屋空港と北九州空港(北九州市)を活用する。
MRJは子会社の三菱航空機が開発し、三菱重工が生産を担当。初飛行を15年4~6月に、初号機の納入を17年4~6月に予定している。すでに300機以上の受注があるが、十分な生産態勢を整備することで、さらなる受注につなげたい考えだ。